「日本の観光白書にフランスの最も美しい村協会が・・・」

日本の観光白書にフランスの最も美しい村協会が

5月に出された最新の「観光白書」を開いてみると、参考にすべき事例としてフランスの最も美しい村協会(以下、フランス協会)が紹介されています。フランス協会は、1982年の発足です。それから遅れること23年後の2005年に、「日本で最も美しい村」連合(以下、美しい村連合)が発足しています。加盟条件となる人口要件は、フランスが2000人以下に対して日本は概ね1万人以下という違いはあるものの、新規加盟審査・5年ごとの再審査の活動方法はフランス協会と同じです。そして2012年には、同じ運動理念のもとでフランス協会、ベルギーワロン協会、カナダケベック州協会、イタリア協会、そして日本の美しい村連合の5つの組織で、世界で最も美しい村連合会を発足させました。さらに今年5月には、スペイン協会も世界組織に加わったところです。

■最も美しい村運動と5年ごとの審査活動

小生は縁あって、これまで美しい村連合に審査員または事務局長として深く関わらせて頂いています。発足10年を過ぎる活動なので、初期からの加盟村は2回目の再審査を受けつつあります。この審査活動は、審査対象の加盟村と真剣に向き合う場です。日頃は、最も美しい村づくりのために共に学び合う首長や地元住民の方々ですが、審査の時だけは千尋の谷に突き落とすが如くの心構えゆえ非常に心身のエネルギーが必要となります。

■日本の農山漁村を世界水準に美しくする計画・戦略づくり

日頃から審査員たちとは様々な議論を行います。毎年、新規加盟審査と再審査で十数カ所の村を手分けして審査するのですから大変です。最近の大きな課題は、自らの農山漁村を美しくする計画・戦略をいかにして組み上げるかです。美しい村連合のロゴマークが象徴するように、人の営みの結果の美しさを目指しているからです。それは、いわゆる景観計画では達し得ません。総合計画や各種振興計画とも違うようです。それに気づいたいくつかの加盟村では、独自の美しい村づくりの計画・戦略を住民参加で作られつつあります。

■孫の時代には、もっと美しい村を目指して

最も美しい村運動が目指す姿は、「真・善・美」です。日本の中で一番、二番と語ることではありません。世界水準で語れる日本の美しい村を磨き上げることです。たたずまいの美しさは、外見にとどまらず内面の美しさこそ大切だと考えます。それは、先人から受け継いだ地域・知恵・志を磨き上げながら次世代に継承する営みでもあります。

国土総合研究機構観光まちづくり研究会では、長年にわたり「日本で最も美しい村」連合の活動を支えてきました。

※写真 美しい村連合の海外研修(フランス協会のミッテルベルクハイムにて)

投稿者

山田 泰司